LOVE PRINCESS(壱&沙耶)




家に戻ると、かおりは居なくて。

それをラッキーっと思った俺は駄目男なのかもしんない。


「壱人君、今日は楽しかっ……んんっ」


先に俺の部屋に入った沙耶ちゃんが振り返るのを待たず、俺の方へと引き寄せて。

唇を合わせた。


一瞬、驚いて力を込めた腕は、キスが深くなるうちに抵抗しなくなる。


何度も何度も角度を変え、キスを交わすと沙耶ちゃんから甘い声が漏れて来て。

ここまで来ると俺も止められなくなる。


「沙耶ちゃん、男の部屋に入るってことは覚悟しなきゃ駄目なんだよ?」


そう冷静を保って言ってあげてるのに


「……うん」


って言うだけで、何も抵抗しない。


は?
本気でいいわけ?

って。
内心、俺が焦るくらい。


実は、二重人格は俺じゃなくて。

沙耶ちゃんの方じゃね?


そう思いながらも体は素直で、どんどんと進む行為に……もう止められねー。