LOVE PRINCESS(壱&沙耶)




でも、それももうお終いみたい。

地上へと降り立った沙耶ちゃんは、もういつものペースで。


「壱人君って、案外……乙女タイプだったんだね」


そんな言葉を残して先々歩いて行ってしまう。


乙女!?
何だ、それ?


「観覧車の頂上でキスなんて……」


ぶぶっと笑った沙耶ちゃんは、さっきの口をパクパクさせてた沙耶ちゃんじゃなくて。

いや、同じ沙耶ちゃんなんだけど!

でも違うくて。


「そ、それは、かおりが…」


かおりが言ってたんだぞ。

『やっぱり恋人同士の1番は観覧車のてっぺんでのキスだよねー』って!

だから、俺はそれを素直にやってみただけで。


それなのに。
それなのに。


こんなに笑われるとは!

かおりの奴、帰ったら……。