LOVE PRINCESS(壱&沙耶)




その言葉に、正直驚いた。

俺、無理してるように見えた?


「な、何で?」

「え……。
私の事、かおりみたいに思ってるのかな? って思って」


俺の聞き返し方が、あまりに早かったからかな。

沙耶ちゃんの言っている事が本心じゃない気がした。


「妹なんて思ってないよ」

「そ、そっか」

「……沙耶ちゃん、俺が無理してるように見えるの?」


また前みたいに、自分の気付かないところで俺は俺を作ってたのかな。

沙耶ちゃんは、それに気付いてるから、そんなこと言うのか?


「そうじゃないけど……」


次の言葉を探している沙耶ちゃんは、目を泳がせながら


「……なんとなく」


とだけ呟いた。