悠哉とあたしは小学生からの仲で、結構他の人より関係が長い。


それは高校から知り合った美樹にも話してあった。


だから今更、そんな事言われるなんて驚いてしまった。


購買に着くと、休憩時間だからか生徒の数にまたもや驚く。


アイス売り場には人がわんさか溢れだしそうで、買える余裕なんてない。


「桃、どうする?」


「あたしは後で悠哉に買ってもらうつもりだから…美樹の分、あたしが買ってくる!」


あたしは美樹に言うと、美樹からもらった小銭を握りしめて人混みに飛び込んだ。


…案の定、死ぬ程押し潰れそうになる。


「んっ…う…!」


必死にアイスのBOXに手を伸ばすが、一向に届かない。


その時。


ドンッと横の男子がぶつかってきて、下手にバランスを崩したあたしは反対側の壁に倒れそうになった。


「…きゃっ」


思わずあたしらしくない女の子らしい声が漏れて、壁に当たる衝撃を目を閉じて待った…が。