「悠哉こそ、サボり?」
男女同じプール授業なのに、悠哉はいつもと変わらない制服姿だ。
って、海パン姿でここに立ってたら余計可笑しいんだけどね。
「俺は呼び出されてたから」
ぎこちない声で答えた悠哉は、一番前の真ん中の席の机に堂々と座った。
ぎこちないのは声だけではなく、前髪を無駄に指でいじったり…落ち着きがない。
「…誰に呼び出されてたの?」
いつもは興味もなくて流すけど、今回は何故か食い付いたあたし。
それに美樹もあたしと同じく興味津々。
「お前らして悪趣味だな」
嫌味たらしく言い放った悠哉の言葉に、余計逃がすわけにはいかないと脳が察知する。
「悪趣味で悪かったわね。で、どうなの?」
ニヤニヤした顔であたしが尋ねると、悠哉はジッと何かを考えるように前髪いじりの仕草が停止した。
そして観念したのか、ハァと深いため息を溢して口を開いた。

