『海/by.沃』


寄せて 還して
夏の終わり
まるで奪い合うように
波が君の指輪をさらった

寄せて 還して
見渡す限りの碧に溶けて…

やがて奥深く沈んだ銀のリングを

何故僕は
海の底まで
追いかけたのだろう

寄せて 還して
海の奥深く

 そして僕は
  海に溶ける―‐