「なんで、そんなハイスペックなのに、
『ハライ』も『キョゼツ』も出来ないのか?」
「そんなこと言われても。」
「じゃ、取り付かれたり憑いてこられたりしたら
どうしてたわけ?」
パンダが不思議そうに丸い頭を傾ける。
「あぁ。
なんか、この家には入れないみたいだから
大抵は玄関でいなくなるかな。
それでも駄目なら、
離れろって、怒鳴る。」
「あぁ。シンは『言霊使い』か。」
納得したように、
パンダがうなづく。
シンはぜんぜん納得してなくて
顔をしかめる。
「確かに、家もすごいな。
この家は「まもられている」な。」
シンは胸がチクリと痛んだ。
この家は、
なき両親が立てたものだ。
たしかに、この家を建てるとき両親は色々なところに出向き
色々なまじないや札などをやっていたようだが…
そうか、
俺のための家だったのか。
改めて父と母を感じ
思わず胸が熱くなる。

