『…痛いよ…』

ふいに、声がする。

あぁ。またか。

この道は交通量が多いため、事故も多い。
横断歩道の手前に目をやると
まだ新しい花が添えられている。


そして、そのそばでうずくまる少女。


「…」

シンは、一瞬立ち止まるが、
そのまま無視して進む。

「ふぅーん。
 シンはあーゆーの、無視するタイプ?」

「まぁな。」

偽善だけではやってられない。
俺は、身を守るすべを知らな過ぎるから。


信号待ちをしていると、
不意に左側がざわっと冷たくなる。


あぁ。隣に立ってるやつ…チガウな。


うっすらと青くそいつがぼやけている。

『・・・・・ぅ・・・っ・・・ぇ・・』

なにやらよく解らない事をつぶやきはじめている。

こういうのはヤバいんだ。
勝手についてこられたり、そいつの持っている死のイメージを当てられたり。

早く離れないとな。

とおもって、シンは ため息を吐いた。


「うぜぇ。」

不意にシンの頭の上でパンダがつぶやく。

瞬間。