二人の遺体を見ても 「見えなかった」 きっと、 うまく成仏したんだろう。 なんて、 冷静に考える自分自身に笑がこみ上げる。 本当に悲しいときは 涙なんて出ないんだな。 遺産相続や、 その他のいろいろなことは、 叔父が面倒を見てくれて、 当面の生活には困らないし、 何より、 家はそのまま シンが住むことになった。 ひっそりと、 たたずむ 4LDKの一軒家。 それがシンのテリトリーだ。