「シンは色々なモノが見えて、聞こえて、 色々な経験ができるのね。 すてきね。 大切にしなきゃ。」 あまりにも聞こえすぎて、 何度目かの自分の鼓膜を破って入院した時 母の言った言葉に、 シンは救われた。 父は、ただ優しい笑顔でシンを抱き占めた。 その両親は、 シンが20歳になったばかりに 交通事故で他界した。