「他に何か食べたいものある?」
たこ焼きを食べ終わった成宮がそう聞いてきた。
「ううん。もうお腹いっぱい」
「そっか……」
でも、ソースのものを食べたのと夜なのに暑いからか喉がカラカラだった。
「成宮?」
「うん?」
「私、飲み物買ってくるね」
「じゃあ、俺が行くから神崎さんはここで待ってて?」
「いいよ。私が行って来るから。成宮、何がいい?」
私はその場に立ち上がった。
「じゃあ、ウーロン茶で」
「ウーロン茶ね」
「あっ!お金」
成宮がカバンから財布を取り出そうとした。
「い、いい!今度は私の奢り。じゃあ、行って来る」
私は成宮の言葉を聞かずに、階段を上がり飲み物が売っている夜店に行った。



