「ここに座ろ?」
階段の一番下が空いていて、成宮はそう言って斜め掛けしていたカバンからハンドタオルを出した。
それを階段に敷く。
「神崎さん、どうぞ?」
「あ、うん」
成宮の意外な行動に驚いた。
女慣れしてない成宮のことだから、そんなことするとは思ってなかったから。
「いいの?」
「えっ?」
「ハンドタオルの上に座って」
水色の綺麗な色のハンドタオル。
「神崎さんの綺麗な浴衣が汚れたらいけないから。ハンドタオルは洗濯したら大丈夫だよ。だから座って?」
「うん……」
私はハンドタオルの上に座った。



