超マジメ彼氏と超ワガママ彼女の恋愛事情




次の日ーー。


夕方になり、シャワーを浴びて浴衣に着替えた。


成宮と花火に行くために。


洋服で行こうかと思ったけど、お祭りや花火には浴衣だよね。


って、事で浴衣で行くことにした。


約束の20分前に家を出る。


うちから待ち合わせ場所の駅前広場までは歩いて10分。


駅に近付くにつれて、浴衣を着た人が目立ってきた。


カップル、家族連れ、友達同士、男女のグループ。


いろんな人がいる。


駅前広場に着いて周りを見渡す。


成宮は……まだ来てないのか……。


まぁ、まだ約束の時間まで10分あるしね。


でも成宮より私の方が早く着いて待つ羽目になるなんて……。


駅前広場のベンチに座ってスマホを取り出してゲームをしながら、時たま周りを見る。



「神崎さん」



呼ばれて顔を上げると、そこにいたのは成宮。


広場にあるデジタル時計を見る。


約束の2分前。



「遅い!」


「ゴメン!出掛けにバタバタしちゃって……」


「ふーん」



私はスマホを巾着の中にしまってベンチから立ち上がった。