「もうすぐ夏休みだねぇ」



あすが窓の外を見ながらそう言ってきた。



「そうだね〜」



私も窓の外を見ながらそう言った。


真っ青な空に綿菓子のような入道雲。


蝉の鳴き声。


もうすぐ夏休みかぁ。



「よしっ!」



私はそう言って椅子から立ち上がった。


「優月?どうしたの?」


「夏休みに新しい彼氏を作る!」



私は成宮に聞こえるようにそう大きな声で言った。


クラスのみんなが私と成宮を交互に見る。


でも、成宮は動じることなく本を読み続けている。


可愛い彼女が新しい彼氏を作る宣言してるのに、本を読み続けるって……。


少しは動揺しなさいよね!