私は空になったお弁当箱をハンカチに包み、弁当袋に入れた。


それを鞄の中に突っ込み、席を立った。



「優月?どうしたの?」


私は、あずの言葉を無視して成宮の席に近付く。



「ちょっと!成宮?」



私の声に成宮は読んでいた本をパタンと閉じて私を見た。



「どうしたの?」



しかもすっごい笑顔だし。


キモっ!



「アンタねぇ?私が付き合ってあげてること感謝しなさいよね!」


「あ、うん……」


「あ、うんってねぇ!」



あぁ!ムカつく!


私は成宮の席から自分の席に戻った。


成宮は読みかけていた本を再び開いて読み始める。



「イライラする〜!」


「そんなにイライラしないの」



あずは“まぁまぁ”みたいな感じで私にはそう言った。


まぁ、自分でも何にムカついてるのかわからないけど。