「帰るわ」
イライラしていた私は成宮にそう冷たく言い放ち、ベンチから立ち上がった。
俯いたままの成宮の横を通り過ぎて駅に向かおうとした時……。
「…………付き合いたいと、思ってる」
成宮の言葉に足が止まる。
「神崎さんと、付き合いたい……」
「はぁ?」
私は振り向き、成宮にそう言った。
私と付き合いたいって正気?
マジで言ってんの?
それとも、やっぱり同情?
…………あっ!そうだ!
しばらく考えて私の中にある考えが生まれた。
コイツなら使えそう。
私はニッコリ笑って、成宮の前に立った。
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