「はい、これ……」
雑貨屋を出て、店の前で成宮からプレゼントの入った紙袋を渡された。
「ありがとう……」
それを受け取る。
「私、帰るね」
もう、成宮にもこの街にも用はない。
帰ろ……。
帰って寝よう……。
「駅まで送って行くよ」
「えっ?い、いいよ」
駅なんて、すぐそこで歩いて5分もかからないし。
「俺が神崎さんを送って行きたいから……」
「あっそ、好きにしたら?」
「うん。好きにする」
何なの?コイツ。
私が駅に向かって歩くのを、少しだけ後ろに下がって無言でついて来る。
なんか話せばいいのに……。



