しばらく続いた沈黙を破ったのは成宮だった。
「なんか、ゴメンね」
「はっ?」
「話しかけちゃって……。俺で良かったら話を聞くよとかカッコイイこと言っちゃったけど、俺には話しにくいよね」
成宮はそう言ってクスリと笑った。
「俺、帰るね。神崎さんもあまり遅くならないうちに帰りなよ。って、またゴメン」
成宮はベンチから立ち上がり、そう言うと苦笑いした。
成宮のくせに何なの?
でも、何だろう……。
あれだけウザいと思ってたのに。
成宮が帰るって言ったら、寂しさを感じてしまうなんて……。
何で?
「じゃあね。また冬休み明けに」
「…………ま、待って?」
私の言葉に成宮が驚いた顔をしてこちらを見た。