私は無表情のまま女を無視して大和の方へ行き、スーパーの袋とケーキの箱をその場に落とした。
そして、腕を大きく振り上げたあと、大和の頬へ思いっきりビンタをくらわせた。
バッチーンと大きな音が寝室に鳴り響く。
手が痛い。
でも心はもっと痛い。
ビンタをしたあと再び涙が溢れ、ポロポロ流れていく。
頬を抑える大和。
女は怯えた表情でこちらを見ている。
私はケーキの箱からケーキを取り出すと、それを泣きながら女の顔に投げつけた。
「キャー!」
悲鳴を上げる女。
ザマーミロ!
生クリームだからけの顔。
笑いすら込み上げてこない。
「お二人の邪魔をしてゴメンね。都合のいい女は帰ります。ハッピークリスマス!」
私はそう言って残ったもう一つのケーキも女に投げ、キーケースを大和に投げつけた。
「最低……」
そう言って私は寝室のドアに向かい、外に出るとドアを思いっきり閉めた。