どれくらい時間が経った?
村上さんの唇が離れる。
「キスする時には、ちゃんと目を閉じてよ」
村上さんはそう言ってクスリと笑った。
「あ、ゴ、ゴメンなさい」
「まさか、初めてだった?」
私は首を左右に振った。
「そうなんだ」
村上さんはそう言うと、再びキスしてきた。
今度は目を閉じる。
村上さんの舌が口の中に入ってきて、私の舌を捕らえる。
「…………んっ」
声が漏れてしまった。
「優月の声、可愛い」
村上さんは唇を離してそう言った。
優月って呼び捨てですか。
まぁ、そうだよね。
村上さんは彼氏になったんだし。
さっきまで“ちゃん”付けで呼んでたのに、呼び捨てしていいか聞かれることなく、ごく自然に呼び捨てで名前を呼ぶなんて。
大人の魅力を感じる。