「ねぇ？」
村上さんが耳元でそう囁くように言った。
息が耳にかかり、ゾクゾクする。
「な、何でしょう？」
「キス、していい？」
「えっ？」
村上さんの言葉に驚いて思わず顔を上げてしまった。
キスなんて初めてじゃない。
数え切れないほどキスなんてしていて、キスなんて私の中では挨拶代わりみたいな。
でも、村上さんにそう言われて驚いてる私がいて。
私って、こんなに純粋な子だったっけ？
って、そんなことかんがえてると、私の唇に温かいものが重なった。
「…………っ！」
再び驚いて目を見開く。
目の前に目を瞑っている綺麗な顔の村上さんがいて。
う、うわぁ……私、今、村上さんとキスしてるよ……。
