「べ、別に見てなんかないし……」


「ふーん……。まぁ、付き合ってんだから見ていてもおかしくないけどね」



あずがニヤニヤと笑いながらそう言ってきた。



「でもさぁ、何で成宮?アンタなんか黙ってても男が寄って来るのにさぁ。学校中の男子が!てか、男子だけじゃなくて学校中がビックリしてるわよ?あの学校一可愛い神崎優月と成宮が付き合ってるってさぁ……」



あずはそう言いながら私の前の席の椅子をこちらに向けて座ると、机の上に弁当箱とお茶のペットボトルをドンと置いた。



「ホントにね」



私もカバンから弁当箱とお茶のペットボトルを出して机の上に置いた。



「てか、アンタ、自分が学校一可愛いと自覚してるわけ?」



自分が学校一可愛いとか言ってきたくせに、あずはそう言って大爆笑してるし……。


そりゃ、まぁ、自覚してないって言ったら嘘になるよね。


この学校に入学してから告白された数なんて覚えてないしさ。


付き合った男だって何人だったっけ?って自分でも思い出せないくらいだし。


……って、そう考えたら、私って超ビッチじゃん!


17歳でビッチなんて……。


てか、今はそんなことどうでもいい。


私と成宮が付き合ったきっかけよ。


今、思い出したいのは……。