「お腹、空いてるの?」
村上さんが笑いながら聞いてくる。
「えっと……その……えーっと……」
村上さんは相変わらず爆笑してるし。
そんなに笑わなくてもいいじゃん。
だって結局、居酒屋で食べたのってサラダくらいだし、飲み物なんかウーロン茶しか飲んでなくて、彩香が飲んでたピンク色の美味しそうなノンアルコールカクテル飲み損ねたし。
なのにキッチリ会費は払わされたし。
しかも1円単位までキッチリと。
「ここ、入る?」
村上さんはファストフード店を指差してそう言ってきた。
恥ずかしくて顔が上げられない私は、お腹を抑えたまま無言でコクコク頷いた。
ファストフード店に入って、カウンターに並ぶ。
「好きなもの食べて?俺のおごり」
「えっ?それは悪いです……」
「いいから。何食べる?」
「えっと、じゃあ……チーズバーガーのセットでドリンクはカフェオレで……」
「了解」
村上さんはそう言って笑顔を見せると、カウンターにいたクルーに注文していった。



