「…………じゃないし」
私は下を向いたままボソッと呟いた。
「えっ?なに?」
私の言葉が聞こえなかったのか、成宮は私の顔を覗き込むようにしてそう聞いてきた。
私は勢いよく成宮の腰に手を回して、胸に顔を埋めた。
その衝撃で倒れそうになる成宮は、咄嗟に片手を後ろに付いて、もう片方を私の背中に回した。
「か、か、神崎さん?」
声が上ずる成宮。
「迷惑、なんかじゃないし……」
「えっ?」
顔を上げると、成宮が私を見下ろしていた。
目が合う。
ドキンと胸が跳ね上がった。
それからは煩いくらいドキドキしていて……。
あず?
私、あずが手紙に書いたてた意味がやっとわかったよ。



