「…………わぁっ!」
トイレ前の壁に村上さんがいた。
壁に体を預けてスマホを弄る村上さんはカッコイイ。
…………って、えっ?
もしかして、男子トイレと間違って入った?
私はトイレの方に目をやると、女子トイレを表すマークがある。
と、言うことは間違って入ったわけではなくて……。
じゃあ、何で村上さんがトイレの前に?
村上さんは私に気付くと、スマホをスーツのポケットにしまい笑顔を見せた。
笑顔がキラキラと眩しい。
また顔が熱くなっていく。
「優月ちゃん、大丈夫?」
「えっ?あ、はい」
「あまりにも遅いから心配になっちゃって」
へっ?
私、そんなに長い間トイレにいたの?