「親に捨てられた」
「えっ?」
成宮は目を見開き私を見る。
「うちは、放任主義なんだよねぇ」
「うん……」
「親は娘より仕事優先の仕事人間。私が高校を卒業したら離婚することになってたんだって」
いつも家にいなかった両親。
愛情を感じたことなんかなかった。
ただただウザイだけの存在。
「でね、昨日、聞いちゃったんだよね」
「何を?」
「どちらが私の親権を持つかって。普通はさ、どちらも親権が欲しくて争うじゃん?」
「うん、まぁね」
「うちの場合、どちらも親権なんて欲しくないんだよね。あの人たちにとって私はただのお荷物。それで言い争ってんの。笑えるでしょ?」
私はそう言って力無く笑った。
「愛情を感じたことなんてなかったけど、でもそれでもどこかで期待してた自分がいて……。あんなんでも親だからさ?私のこと愛してくれてるって。でも親の言い争うのを聞いて、あぁ、やっぱり愛情なんかなかったんだなって。期待してた私がバカだったなと……」
それだけ一気に言うと、私の目に再び涙が溜まっていき、成宮の顔が歪んで見えた。
泣けるってことは、心のどこかで親に愛されたいと思ってたのかな……。



