「あ、もし良かったら上がる?」 「えっ?い、いいの?」 「どうぞ?」 成宮はそう言って玄関を入りやすいように開けてくれた。 「お、おじゃします……」 玄関を上がると、すぐにキッチンがあって、キッチンの向かい側に並んで2つの扉がある。 キッチンの突き当たりに磨りガラスがはめ込まれた扉があり、その奥は部屋になっていた。 洋間のワンルームでロフトがついてる。 「引越しの片付けが、まだ終わってないんだ」 成宮はそう言って、床に散らかったものを拾い上げていく。