「そうなんだ」



成宮が笑顔になる。



「うん」


「良かったね。おめでとう」


「ありがとう」



おめでとうじゃないんだけど。


全然、おめでたくなんてないけど。



「神崎さんに新しい彼氏が出来るまでの約束だったもんね。わかった」


「あ、ほら、成宮にも可愛い彼女が出来るかもよ？」


「そうだといいけどね」



成宮はそう言ってクスッと笑った。


私は早く成宮の前からいなくなりたくて、成宮の側を通り足早にその場を後にした。