彩香と静香さん、静香さんの大学の友達の2人が自己紹介を終わらせたタイミングで料理が運ばれてきた。
それを食べながら話をしていく。
「優月ちゃんって言うんだ」
いきなり村上さんに話しかけられて、食べていたサラダが喉に詰まりそうになった。
「あ、はい」
「名前も可愛いけど、顔も可愛いね」
村上さんはビールを飲みながらそう言ってきた。
今度は口に入ってるサラダを吹きそうになった。
「よ、酔ってるんですか?」
まだ始まって1時間も経っていないし、村上さんはまだ最初に注文したビールを飲んでいる。
酔うには早過ぎます!
「酔ってないよ?」
「本当ですかぁ?お世辞言っても何も出ませんよ?」
私は冗談っぽく笑顔でそう言ったけど、内心はドキドキしていて今にも倒れてしまいそうな感じだった。
今まで何回か合コンしたことあるし、告白なんて数え切れないほどされて、彼氏だっていたことある。
でも村上さんのようにドキドキしたことなんてない。
こんなの初めてだよ。
男慣れ、合コン慣れしてるくせに。
自分が自分じゃないみたい。
「お世辞じゃないよ?俺、お世辞なんて仕事以外で言ったことないし」
村上さんはそう言ってクスリと笑った。
あぁ、もうダメ。
頭と心臓がパンクしそう。
「あ、あの……ちょ、ちょっとトイレに行って来ますね」
私は笑顔でそう言って立ち上がった。
って、ウーロン茶しか飲んでないのに足元がフラフラする。
彩香にトイレについて来てもらおうと思ったら……。
アイツ、席離れてドア側に座ってるメガネかけた人のところに行ってるし。
しかも、良い感じになってるし。
まぁ、いいや。
一人でトイレに行って来よう。



