お互い無言で歩く。
「ゴメンね、いきなり来て……」
私は無言に耐えられなくて、成宮にそう謝った。
「ううん。嬉しかったよ、ありがとう。ちょっと話しない?」
「いいけど……」
成宮の家を出て話をする場所と言えば、やっぱりあの公園。
2人ともそれがわかってるのか、足が自然と公園に向かう。
公園に入った私と成宮はベンチに座った。
成宮から話をしない?と言われた時、ちょっとだけ胸がトクンと跳ね上がった。
昨日のあの彼女の顔、彼女の言葉が頭に浮かぶ。
もしかしたら成宮の方から別れを告げられるのかもしれない。



