『その子が成宮を好きなのは間違いないと思うんだけどさ』
「うん……」
『でも優月と別れたいと思ってるのって、その子が勝手に言ってるだけじゃないかな?と……。優月のこと好きな男子が多いし』
まぁ、そこは否定しないけど。
告白された数なんて、いちいち覚えてないし。
『そんな人が自分の好きな人と付き合ってる。でもその人は自分の好きな人のことが本当に好きで付き合ってるんじゃないかもしれない。私と付き合ったら成宮先輩を幸せに出来るのに、とか思ってさぁ』
「うん」
あずって小説家になれそう……。
『だったら嘘をついてでも、アンタと成宮を別れさせてやろうって思ったんじゃない?』
「そうなのかなぁ?」
『やっぱさ、成宮に確かめた方がいいと思うよ。別れる別れないは優月の自由だけど』
やっぱ確かめた方がいいのかなぁ?
あずの話を聞きながらボンヤリとそう考えていた。
明日、学校で成宮に聞いてみようか。



