『で、さっきの話の続きだけど……』
「ん？あ、あぁ……。あのね……」
『うん』
「あの子がさ……」
『うん』
なんで？
なんで、あの子が言ったことを話そうとすると胸が苦しくなるの？
「成宮が、私と別れたがってる、って……」
『はぁぁぁ？』
あずの叫び声のような声が耳に響いて、思わず少しだけスマホを耳から離した。
『なに、それ？』
「だからさ、成宮を解放してあげて、成宮は本当に自分のことを好きになってくれた子と付き合った方が幸せかなと思って……」
叫び声の次は、大きな溜め息が聞こえてきた。
「今日も、成宮と会ってたんだって」
『へぇ……』
あずはそう言ったまま、しばらく黙ったままだった。
お互い黙ったままで、どのぐらい時間が経ったんだろう……。
『ねぇ？優月？』
「ん？」
『本当、なのかなぁ？』
「えっ？何が？」
『成宮が優月と別れたがってるってこと』
「本当、なんじゃない？」
私のワガママに振り回され、冷たくてされて、いくら学校一モテないと思ってた成宮だって、こんな女と付き合うのは嫌でしょ。
