指定された公園に急いで行く。
公園に着くと、奥のベンチに女の子が座ってるのが見えた。
私は小さく深呼吸して、ゆっくり歩いて行く。
スマホをいじってる女の子が私に気付いて笑顔を見せた。
私も女の子に笑顔を見せる。
女の子が座ってるベンチの前まで行き、そこに立つ私。
私を見上げる女の子。
「話って何?」
「座ります?」
女の子はベンチに置いてあったカバンを避けた。
「いや、いい。暇じゃないから、話したいことがあるならさっさと話して」
別に忙しいわけでもないんだけど。
帰って寝るだけだし。
「私、成宮先輩と同じ委員会なんです」
「それがどうかしたの?」
「委員会で会った時に、成宮先輩、言ってました」
「なんて?」
「彼女が冷たくてワガママで、もう別れたいって……」
へぇ。
アイツ、そんなことを思ってたんだ。
私が冷たくてワガママなんて、そんなのわかってて付き合って欲しいと言ったのは向こうなのに。
それを今更って言われてもって感じだけど……。
だけど、私の思いとは裏腹に胸はチクチクと痛んでいた。