結局、始業式をサボって屋上で話していた私とあず。
教室に帰った時には、帰りのHRも終わってた。
先生には「またサボりか」なんて笑われたけどね。
まぁ、私とあずのサボりなんて今に始まった事ではないんだけど……。
「成宮?」
帰りの用意をしていた成宮に声をかけた。
「ん?あ、神崎さん、なんか用?」
帰りの用意をしながらそう言った成宮。
しかも笑顔で。
教室に残っている生徒が私の方を見る。
そりゃ、そうだよね。
私と成宮が付き合ってる事は知ってるけど、私が学校で成宮に話しかける事なんて滅多にないんだから。
「あのさ、今日、一緒に帰らない?」
「えっ?」
さっきまで笑顔だった成宮の顔から笑顔が消える。
「ほら、たまにはいいかな?と」
「たまにって、初めてだよね?」
「はっ?」
そんなこと、どーでもいいじゃん。
「えっと、ゴメン……。ちょっとこれから用があるんだ……」
「そ、そうなの?」
「また今度、一緒に帰ろう?」
成宮はそう言ってリュックを持つと教室を出て行った。