「もう少ししたら始業式始まっちゃうよ?」


「始業式なんて、どうでもいい!」



あずは叫ぶようにそう言った。


怒ってる?



「どうでもいいって……」


「今は、始業式よりも優月の方が大事!」


「えっ?」



私は目を見開き、あずを見た。



「何があったの?優月、今日はおかしいよ?」


「何もないよ?おかしくもないし」


「アンタねぇ、私にそんな嘘が通じると思う?優月とは高校に入って来てから知り合った仲だけど、優月の事は親友だと思ってるし、優月のちょっとした変化とかわかるんだからね!」


「あず……」



あずの言葉が胸に突き刺さる。


鼻の奥がツーンとして、あずの顔が歪んでいった。


目からポロポロ流れる涙。


手で拭っても拭っても溢れてくる。



「優月?」



あずが私の背中を優しく摩ってくれた。