「その前に飲み物注文しようぜ。とりあえず乾杯してから自己紹介で良くね?」
そう言ったのは、私の前に座ってた人。
カッコイイ人。
カッコイイ人の言葉に、みんな頷いている。
顔もカッコイイし、声もカッコイイ。
もぉ、全てがカッコイイ!
「優月?飲み物、何する?」
カッコイイ人に見とれていたら、隣にいた彩香にそう言われて目の前にメニューを置かれた。
「へっ?」
「へっ?じゃなくて、飲み物!決めてないのアンタだけだよ?」
「そ、そうなの?えっと……」
私はメニューに目を落とす。
「ウ、ウーロン茶で」
未成年の私はお酒が飲めないから当然ソフトドリンク。
「飲めないの?」
「えっ?」
メニューから声がする方に目をやると、カッコイイ人が笑顔で私を見ていた。
ドクンと跳ね上がる鼓動。
「お酒」
カッコイイ人は更にそう言ってきて、私の心臓はおかしくなりそうなくらいドキドキしていた。
「あ、は、はい……」
未成年なんでとも言えず、そう返事をするしかなかった。
酒を飲んでないのに顔は熱くなって、真夏じゃないのに変な汗まで出てきた。



