次の日。
課題を写し終えた私は、成宮に連絡を取って◯◯駅前で待ち合わせた。
先に来て待っていた成宮。
昨日のことがあるから目を合わせ辛い。
「課題、ありがとう」
私は課題の入った紙袋を成宮に渡した。
「あ、うん。早かったね」
「まぁね」
そこから会話が止まり流れる沈黙。
「ねぇ?」
その沈黙を破ったのは私。
「ん?」
「あのさ……」
昨日の事を聞いてみようか……でもな……。
「やっぱ、いいや。何でもない」
なんて聞けばいいのかわからない。
「えっ?なに?気になるなぁ」
「何でもないから!忘れて?じゃね。課題ありがとう」
その場から少しでも早く離れたくて、私はそう言った。
成宮の返事を聞く前に、私は成宮に背を向けて自宅の方向に歩く。
成宮の浮気疑惑。
別に浮気しても構わない。
だって、私と成宮は元々、期間限定な付き合いなんだし。
でも胸がモヤモヤする……。
結局、なにもわからないまま。
夏休みが終わり、新学期が始まった。



