「真世?今日は友達を連れて来たんだ」
「友達?」
真世ちゃんは、成宮の後ろに隠れるように立っていた私を見た。
私は成宮にとって友達なのね。
彼女ではなく友達。
まぁ、期間限定の彼女だし、ラブラブな恋人同士なわけでもないから友達と紹介するのは間違ってはないけどさ。
でも、なんだろう……。
このモヤモヤした変な気持ちは……。
「同じ学校の神崎さん」
「初めまして!神崎優月です」
モヤモヤした気持ちを隠すように笑顔で、そう自己紹介した。
「成宮真世です」
真世ちゃんが笑顔でそう言う。
「俺、なんか飲み物を買って来るから、神崎さんは座ってて?」
「あ、うん……」
私はベッド脇にある椅子に座った。
成宮は飲み物を買いに行くために病室を出て行った。



