5階にある個室が成宮の妹、真世ちゃんの入院している病室。
成宮がノックをすると、中から「はーい」と可愛らしい声が聞こえた。
うっは!今頃になって緊張してきた。
成宮の妹って、どんな子なんだろう……。
成宮が病室のドアを開ける。
窓際に置かれたベッド。
その上に座っている女の子が見えた。
黒く長い髪を2つに分けて結んで、ピンクのパジャマを着ている女の子。
「お兄ちゃん!」
真世ちゃんはそう言って笑顔を見せた。
どことなく成宮に似ている。
まぁ、兄妹だから当たり前か。
「お兄ちゃん、その顔、どうしたの?」
顔からは笑顔がなくなり心配そうな顔に変わった。
「あ、ボーとしてたら転んじゃって」
成宮はそう言って照れたように笑った。



