「ねぇ?」



成宮に声をかけた私。


早く帰って課題を写せばいいのに、なんで成宮に声かけたんだ?



「ん?」



振り向いた成宮は少し不思議そうな顔をしていた。



「これからどっか行くの?」



って、私、何聞いてんのよ!



「えっ?あ、うん……妹の病院に……」


「そうなんだ……」


「うん」



しばらくの沈黙。


早く行きたそうな成宮。



「えっと……その……私も一緒に行っていい?」



私の言葉に目を丸くする成宮。


なんで自分でもそう言ったのかわからない。



「別にいいけど……」



そう言った成宮は少しだけ笑顔を見せた。