超マジメ彼氏と超ワガママ彼女の恋愛事情





「優月ちゃん、いい?」



静香さんが笑顔でそう言ってきたけど……。


私は何て答えていいのかわからなかった。



「ゴメンね」



私の心情を察したのか静香さんは苦笑いで謝ってきた。



「あ、えっと……そんなことないです……」



って、私、なに変なこと言ってんのよ。


そんなことないって、なにがそんなことないのよ。


もう、わけわからない。


敬語を使わないのは何とか出来そうだけど、名前の呼び捨てはムリ。


どう考えてもムリ。


今から帰ります!とも言えないし……。


それこそ静香さんに恥をかかすことになる。


それだけは出来ない。



「今日の会場はここでーす!」



そんなことを考えてると、会場に着いてしまった。


まぁ、どうにかなるか。


ここまで来たら、もーどうにでもなれ!


私はそんなことを思いながら会場であるお店の中へ静香さんと彩香に続いて入った。