入口付近にあったベンチに並んで座る。
話をしない?って言っても何を話せばいいのよ。
私は少し目線を下に落としてジッと地面を見ていた。
「神崎さん?」
「ん?」
「神崎さんって、夢ってある?」
「はっ?」
私は顔を上げて成宮を見た。
夢?
夢って将来の?
って、いきなり何を聞いてきてんのよ。
「あ、ゴメンね……いきなり変なこと聞いて……」
成宮は私の心の中を見透かしたかのようにそう言ってきた。
「いや、別にいいけど……ちょっとビックリしただけ……」
私はそう言って、再び目線を下に落として地面を見つめた。