「ばあちゃんが帰って来た」
「じゃあ、私はそろそろ……」
そう言って立ち上がろうとした時、部屋のドアが開いた。
「りーくん?お友達が来てるのかい?」
部屋に入って来た成宮のおばちゃんは、品のいい優しそうな感じ。
って、成宮って“りーくん”って呼ばれてるんだ。
「あ、は、初めまして。成宮くんと同じ高校の神崎優月です」
私は成宮のおばちゃんにそう言って挨拶した。
「まぁまぁ、可愛らしいお人形さんみたいな子だねぇ。いつも孫がお世話になってます」
「いえいえ、こちらこそ」
お互い頭を下げ合う。
「りーくん?その顔、どうしたの?」
顔を上げた成宮のおばちゃんは成宮を見てそう言った。