「寝ないの?」
「神崎さん来てるのに寝れないよ……」
自分の家なんだし、ケガしてるんだから遠慮しなくていいのに。
「そう言えば……成宮、メガネ……」
メガネが壊れてるんだったよね。
すっごい分厚いレンズのメガネをしているから、相当目が悪いはず。
メガネかけなくて大丈夫なのかなぁ?
「あ、それは大丈夫。もうひとつあるから」
「そうなんだ」
成宮はベッドから立ち上がり、勉強机の引き出しを開けてメガネケースを取り出した。
その中に入ってるメガネをかけて、またベッドの縁に腰掛ける。
その時、玄関が開く音が聞こえた。
「ただいま〜」
下から微かに聞こえる女性の声。
成宮のおばあちゃんかな?



