「私が送って行ってあげるよ」
「えっ?いいよ。1人で大丈夫だから」
1人で大丈夫なわけないじゃん。
「途中で倒れたらどうすんのよ!」
「大丈夫、大丈夫!痛みもだいぶ引いてきたし」
「嘘つき」
そんなケガしてて、数時間で痛みなんて引くわけないじゃん。
何で強がんのよ。
「いいから素直に送られなさいよ!」
私もベンチから立ち上がり、成宮の体を支えた。
「大丈夫だからいいのに……」
「うるさい!ほら行くよ!」
「神崎さんらしいね」
成宮はそう言ってクスクス笑った。
私と成宮は公園の外に向かって、ゆっくり歩き始めた。



