成宮が走って来るのが見えた。 私の前まで来ると、膝に手をついて“はぁはぁ”言ってる。 「ゴメン!また待たせちゃったね」 まだ少しだけ息を切らしながら成宮はそう言った。 「まだ約束の時間にはなってないから、別に謝らなくてもいいし……」 「ありがとう。じゃあ、行こうか?」 私は成宮の言葉でベンチから立ち上がる。 並んで公園を出て、図書館に行こうとした時……。 「あっれぇ?成宮くんじゃん!」 「あっ!彼女もいるぅ」 後ろから男2人の声がした。 成宮も私も立ち止まる。 この声、どっかで……。