超マジメ彼氏と超ワガママ彼女の恋愛事情





「成宮は違うって言ってるけど?」



私は男の子たちにそう言った。


さっきまで笑顔だった男の子たちの目付きが急に鋭くなる。



「だから何で嘘をつくの?俺たち、中学の時によく遊んだじゃん」



成宮は首を左右に振る。



「もしかして覚えてないの?俺たちが友達だという証拠に、遊んでる時に撮った動画を彼女に見てもらおうか?」


「お!いいねぇ」



そう言って、金髪が手にスマホをジーパンのポッケから取り出す。



「やめろ……」



成宮が静かにそう言った。



「やめろ!」



今度はハッキリとそう言った。



「はっ?俺らに楯突くわけ?彼女の前だからっていい気になってんじゃねぇぞ?」



長髪がそう言って成宮を睨み付けた。



「神崎さん?行こう?」



成宮が立ち上がり、私の手首を掴んだ。


“トクン”と胸が小さく鳴る。


えっ?な、なんで?


成宮に手首を掴まれて胸がトクンって……。


キモいと思ってたヤツなのに……。