「・・・よかった」

互いを確かめ合うようなキスを終えて、息の荒い私を胸へと収めた彼。


まるで噛みしめるように呟いたひと言は心を溶かし、大きく胸を打つ。


「望が好き、よ。ずっとずっと」

ずっと抑えてきた感情がふつふつと沸き、私もまた拙い言葉を彼へと返す。



この3年、いま胸を埋めつくような感情とは無縁の毎日だった。


どんなに足掻いてみても他の人には心動かず、結局がむしゃらに働くしかなくて。でも、それで良かったのだと涙が頬を伝う。


「仕事は充実してたけど、でも幸せじゃなかった」


日々の仕事で得られるのは、努力した分だけの達成感と成果。


それと心が満たされることは、まったく違うものなのだと知った。