「…ムードたっぷりの場所と甘いセリフ、それから愛の花束、かぁ」


大雅さんがどんなプランを立ててるかはわからないけれど、でもきっと二人は上手く行く。

そう思ったら自然と笑顔になれた。
それと同時に…、ちょっとだけ寂しくもなる。




「…花束、か…」


…新田くん曰く、龍輝さんは“私”へのプレゼントとなる花を買いに行ったんだよね。

結局、「また後日」になっちゃったらしいけど。


……その「後日」って、いつだろう?

龍輝さんのことだから「忘れてた」とか言って、永遠に来なかったりして。




…そうなったら悲しいなぁ。

かと言って、自分から「花束をください」なんて言えないし、言いたくない。




「…いつか、きっと貰えるよね」


そう呟き、星の煌めく空をため息と共にそっと静かに眺めた。