…パンジー…。




「花言葉は、純愛。 それと…――、」

「…え?」


「――…いや、なんでもない」


ふ…、と優しい顔をした龍輝さんは、私を見つめながら小さく息を吐いた。




「お前は、花が似合うな」


ドキッ....




“先輩は、花が似合いますね。”




…その言葉は、新田くんと同じ…――。


「…っ……」




私…、

…私は、龍輝さんの声を聞きながら新田くんを…。


ううん…、龍輝さんと会って話す前からずっと、新田くんのことだけを考えていた…。




「…龍輝さん…。 わたし…、」

「………」


「……わたし…、新田くんのことを…」

「真由」


「あ…」




龍輝さんの瞳が、真っ直ぐに私をとらえる。

私の言葉を遮り、そして拒む冷たい瞳…。




「それ以上言うな」

「………」


「わかってるから、もう言うな」


わかっ、てる…?

…龍輝さんは私の気持ちを…――、




「惹かれてるんだろ? その男に」




――…私の想いを、見抜いている…。